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No.3419『I Am: Celine Dion』6/25配信決定

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「私が歌う、一番大切な歌」──セリーヌ・ディオンがドキュメンタリー「アイ・アム セリーヌ・ディオン〜病との戦いの中で〜」にかける思い

2022年、難病「スティッフパーソン症候群」を患っていることを公表した歌手のセリーヌ・ディオン。その闘病生活に迫ったドキュメンタリー「アイ・アム セリーヌ・ディオン〜病との戦いの中で〜」が6月25日よりPrime Videoで独占配信される。世界的アーティストの今のありのままをとらえた作品が完成するまでの道のりを、ディオン自身と監督のアイリーン・テイラーが語ってくれた。

2008年のある時期に、全世界累計300万枚以上のチケット・セールスを記録した「Taking Chances」ワールド・ツアーの真っ只中だったセリーヌ・ディオンは、どこか違和感を覚えていた。「すぐに、声をコントロールするのが難しくなりました」と、パジャマ姿の彼女はラスベガスの自宅のソファに腰掛けながら、Zoomの画面越しにそう語ってくれた。「ものすごい高音が出たかと思うと、次の瞬間ひきつりだす。歌手にとっては声が命なので、真っ先に耳鼻咽喉科に行きました」。医師からの明確な診断はなかった。「声帯を全角度から診てくれたんですが、全く異常がないと言われました」と当時のことを振り返る。彼女はそのままツアーをやり遂げ、その後ラスベガスで再びレジデンスを行い、さらに5本ものツアーを回った。途中から声の違和感に加え、たびたび筋肉の強張りも感じ始めた。「歩くのが困難になってきて、何かにつかまりながらでしか歩けませんでした」

コロナで立ち止まることを余儀なくされた2020年になってやっと、ディオンは過去10年以上にわたって、自身を繰り返し苦しめてきた謎の症状としっかり向き合うことにした。「パンデミックが始まったとき、この世界で起きることすべてには理由がある。これを機に、自分の症状についてちゃんと調べようと自分に言い聞かせました。もう何年も何年も、自分や友人や家族や子どもたちを誤魔化し続けてきていたので......」。思い返すとさまざまな感情が湧き上がったのか、彼女は一呼吸置く。 「もう強がるのをやめにしたかったんです。もう長いこと、できる限り強くあろうとし続けましたが、自分のためにも賢い選択をするときがきたのです」

より精密な検査を受け、長い時間を経て消去法で導き出された診断は、スティッフパーソン症候群(SPS)。筋肉硬直やけいれんを引き起こす、稀な自己免疫系神経疾患だ。「変だと思われるかもしれませんが、診断を受けたとき、うれしかったんです。大波に抗うのではなく、やっと波に乗って前に進めるのだと」。2022年12月、インスタグラムに投稿した動画を通じて、彼女は医師からの診断を世界に公表した。「私のことをどれくらいよく知っているかはわからないですが、私は隠し立てをしない人ですから」と彼女は満面の笑みを浮かべる。その竹を割ったような性格で、自分に下された診断を素直に受け入れ、間もなくしてファンに明かしたのだった。「もうあれ以上黙っていられなかったのです」

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2024/06/09 (Sun) 11:00

No.3420Re: 『I Am: Celine Dion』6/25配信決定

それから2年も経たないうちに、彼女は2024年6月25日よりPrime Videoで世界で配信予定のドキュメンタリー「アイ・アム セリーヌ・ディオン〜病との戦いの中で〜」の予告編を公開した。同作はここ数年間、彼女が生きてきた苦難の時期をとらえる一方で、セリーヌ・ディオンという一人の人間の逆境から立ち直る力を見事に描いている。そして、闘病という暗いトンネルの先に差し込む一筋の光となった、応援してくれるファンへの心からのメッセージでもある。

2022年、「Courage」ワールドツアーをやむを得ず中止することになった後、ディオンは己のパフォーマーとしての粘り強さを、時間はかかるが着実に回復へと進めるリハビリに活かした。ステージに復帰し、熱狂的なファンと再びつながる日を夢見て。(今年2月、彼女は第66回グラミー賞にサプライズ登場し、テイラー・スウィフトに年間最優秀賞アルバム賞を授与。闘病を公表して以来、初めて公の場に姿を現した)。「私が経験したことは短時間で片付けられるようなことではないので、ドキュメンタリーという形式にしたかったんです」とディオンは説明する。「ただ発声練習やピラティスをしているところを記録しているわけではありません。私がやってきたのは、身体、声、心、精神、すべてのリハビリです。それに、この物語は上品に描きたかったんです。ファンと自分自身へのリスペクトがちゃんとあるからこそ、すベてを包み隠さず伝えるべきだと思いました」

自身の体験をありのままに描くためには、適したストーリーテリングのパートナーが必要だということをディオンはわかっていた。2022年の初めには、すでに何人かの監督と映像作品の制作について話を進め始めていた。そして紹介された監督の一人が、過去にアカデミー賞にもノミネートされたドキュメンタリー作家のアイリーン・テイラーだ。二人はすぐに意気投合。「プロジェクトを進めるにあたって、制作パートナーとして波長が合う人を探していました。私の人生をドラマ化したり、私が体験してきたことを書き換えたり、毎回私に伺いを立てながら制作するような人は求めていませんでした。アイリーンに初めて会った瞬間、ピンときました」

フォトジャーナリストとしての経歴を持ち、世界中を飛び回ってきたテイラーは、ディオンの並外れた知名度の高さ、そして彼女のまだ知られざる多くの側面に惹かれ、彼女を題材にすることに興味を持った。その上、ディオン自身も心のうちを明かすことに積極的だった。「セリーヌと出会ってまだ日が浅い頃、彼女は私に、『自分が物語の語り手になりたい』とはっきりと言いました。私にとって、それはとてもうれしい言葉でしたね」とテイラーは話す。その発言を、彼女はどうとらえたのか?「『あなたがよければ、私が自分の言葉ですべてを語ります。だから、なんでも聞いてください。そうしたらそのうちに、ひとつの物語が紡げますから』という意味だったんだと思います。セリーヌが、自分のすべてをさらけ出したいと言っているのであれば、ほかの誰かに彼女の物語を代弁してもらう必要はありません。この作品は、彼女のことを描いた作品なんです。それもセリーヌという人物像だけでなく、自分の意志とは関係なしに人生を方向転換しなければならなくなった、特定の時期を描いています」

panda.gif 管理人(ジュカ) - シーフ(2回)

2024/06/09 (Sun) 11:01

No.3421Re: 『I Am: Celine Dion』6/25配信決定

ドキュメンタリーには、ディオンが名声を得るまで、そしてトップミュージシャン兼パフォーマーとして活躍してきた何十年間を記録したアーカイブ映像が織り込まれているが、テイラーは今現在のディオンを描くことにこだわった。「彼女の一番熱心なファンたちは、彼女の音楽性がいかに幅広いかをすでによく知っています。しかし、私を含め世間のほとんどの人は、そのことを知らないのだと思います。この作品は、40年を超えるキャリアを歩んできた先にセリーヌがたどり着いた、今の姿をつかむのが狙いです」

「彼女のファンに向けて制作したわけではないですが、これは紛れもなく、ファンに向けられたものです。ファンの人たちは今、彼女のことをものすごく心配していますし、彼女がどうしているか気になっています。それと同時に、彼女の音楽にただ身を委ねたいという気持ちもあるんです。この作品が、その両方の願いに応えられているといいのですが」とテイラーは続けた。

言うまでもなく、現在のディオンをとらえた映像のほとんどは、彼女のラスベガスの自宅にて撮影された。ディオンはこれまで、自身にとって神聖な場所である自宅をあえて見せてこなかったが、テイラーとの間に一種の絆が築けたことで、今回カメラの前で初公開することに前向きになった。「ここは私が唯一、苦しみ、泣き、ヤケになり、喜び、歌い、リズムを外し、そして今は弱さを見せられる場所。本当に心を許せる人にしか、この大切な場所を開放することはできなくて。アイリーン自身の話を少し聞いただけで、彼女なら信頼できると思えたんです。私は友達が少ないですが、私のことを理解してくれたアイリーンは、今では大切な友人の一人です」

ディオンが私生活をここまで固くガードしてきた理由のひとつは、子どもたちを守るためだったと彼女は説明する。(ディオンには2016年に咽頭がんとの闘病の末に亡くなった夫で元マネージャーのルネ・アンジェリルとの間にもうけた三人の息子がいる)。何十年もの間、メディアにプライベートを侵食されてきた彼女は、私生活を秘密にしておくべきときと手段を知っている。「もう何度、新聞で自分の訃報を見たことか」と毒の効いたジョーク混じりに語る。自身の健康状態をめぐり、勢いよく飛び交う憶測。一番つらかったのは、ニュースの見出しを子どもたちに説明しなければならなかったことだ。「読んだこと、聞いたことを鵜呑みにしてはいけないと注意しなければならなくて」。それでもディオンは、子どもたちのためにも、ドキュメンタリーを制作する義務があったと言う。「とてもリスペクトを込めて作られた作品です。人によっては観るのが少しつらい場面もアイリーンには撮影してもらいましたが、これが私の現実なんです」

そして、今の現実はどんなものなのか。病を告白したことで「ずっと肩に重くのしかかっていた荷が、かなり降りた」と言う彼女は、一日一日を大切に生きている。「やっと、目の前に起きていることだけに集中することができるようになりました。それは、本当に素晴らしいことなんです。幸せな自分に戻れました」。また、ドキュメンタリーを公開することで、スティッフパーソン症候群への関心を高め、同じ症状を持つ人たちが、医師に相談するきっかけになればと彼女は願っている。「観る人を怖がらせるのではなく、SPSという病気があることに気づいてほしいんです」と話す。「私は(医師に相談するまで)17年かかりました。どうか、私よりは早く診てもらってください」


しかし何よりも、ディオンは深い闇の中にいたときも光を灯し続けてくれたファンたちに、このドキュメンタリーを贈ることを楽しみにしている。「私の人生の目的は何なのか? 歌手であることか? SPSの認知を広めることか? 母親であることか? そのすべてか?今日がいわば、私の人生最初の日。これまで歌ったことはない、けれど、一番大切な歌なのです」

※「アイ・アム セリーヌ・ディオン〜病との戦いの中で〜」はAmazon MGMスタジオ提供、ヴァーミリオン・フィルムズ制作、ソニー・ミュージックビジョン、ソニー・ミュージックエンタテインメント・カナダ提携作品。ドキュメンタリーは6月25日よりPrime Videoで全世界独占配信。

Text: Liam Hess Adaptation: Anzu Kawano
From VOGUE.COM

https://www.vogue.co.jp/article/celine-dion-documentary-trailer-interview

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2024/06/09 (Sun) 11:02